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【導入事例1】ハナスタを利用した「時間」という資源の確保

更新日:2月4日

Landscape(千葉県)
 

花の仕入れのストレスを省き「経営者の時間」を設ける

※月刊フローリスト2019年4月号から転載


 

時間という資源をうまく管理できているか

 経営の世界では「戦略とは、何をしないかを決めることだ」と言われている。与えられた時間は平等に過ぎるなか、どの部分に注力するかで、その店の個性は決まっていく。時間という限られた資源を有効に使うためには、切り捨てるべきところは切り捨てなければ、大きなことに集中することはできないのだ。


 日々の業務で忙しく「切り捨てる時間なんてない!」と思っている人も多いことだろう。ここでは市場での仕入れ業務に着目したい。ネット仕入れのサービスをうまく活用することで市場へ行く負担を減らし、空いた時間を経営者視点で管理したことで、業績アップを実現した店舗を取材する。


 

日本最大級のネット花市場ハナスタに仕入れを移行

 千葉県千葉市の花店「ランドスケープ」のオーナー・磯部浩太さんは、切り花の仕入れでは、ほぼ100%「ハナスタ」というサービスを利用している。以前は、週に3回、東京・世田谷市場まで競りに出ていたが、数年前にハナスタを導入し、ネット仕入れに移行。今では鉢物の仕入れ以外ではほとんど市場へ行くことはなくなったという。  ハナスタとは、株式会社シフラが手掛ける、インターネットの切り花仕入れサイト。オンラインでの仕入れ自体は、数社が10年以上も前から取り組んでいたが、ハナスタはその先駆けとして15年前にサービスを開始。システム開発力や営業努力により着実にユーザーの満足度を向上させていたが、スマホやタブレットの普及に機を見てサービスも充実し、登録者のID数はここ数年で急激に増加している。


 

空き時間にスマホで仕入れ手間を減らして経営に専念

 株式会社シフラで「ハナスタ」の運用を担当する林早紀さんは、サービスの特徴をこう話す。「ハナスタならスマホやタブレットを使って仕入れが完結します。場所を選ばず仕入れができ、それが店まで届くのです。しかも月額使用料と登録料がかからず導入コストもゼロ。手軽に始められるため、メインの仕入れとは別に、補足的な使い方で試されるお客様も多いです」

 メインの仕入れでは市場へ行き、たまの仕入れでハナスタを併用しているケースもある一方、ランドスケープのように、すべての仕入れをハナスタに踏み切った店舗もある。磯部さんは独立前の数年間、大手企業やホテルの仕入れ担当として競りに通い続け、競りのメリットからネット仕入れの不利な点まで、あらゆる事情を知り尽くしている。ハナスタ導入の決め手は何だったのだろう。

 「ハナスタを使いはじめたのは法人営業に専念するため、それまでのやり方では時間が足りないと思ったからです。朝早くから競りに出て、千葉に戻って水揚げをしていては、半日以上が潰れてしまいます。その点、ハナスタなら、前日にスマホでぱっと仕入れられて、翌朝には店の前に荷物が届いている。仕入れにかかっていた時間とストレスを減らして、僕が経営側に回るゆとりが生まれました」

 仕入れに費やした時間が浮いた今では、4、5個の経営者会に掛け持ちで入り、人脈を広げている。「経営者会に入るお花屋さんは少ないんです。理由の1つに仕入れにかかる時間的な要因があると思っています。  けれども、中小規模の店が法人営業をしようとしたとき、営業マンを大勢抱えるよりも経営者会に入って、トップダウンで営業をかけるほうが効率がよいと思いました」

 

今、「経営者の時間」が求められている理由

 現在のランドスケープは法人向けの営業に重きを置いているが、以前は店を徹底的に居心地のよい空間にして、珍しい花の品揃えにこだわっていた。じっくり時間をかけて趣向を凝らした花を作っていたけれど、利益率の高さで考えるとそれだけでは低いと感じ、大きく舵を切ったのだ。ただし、個人の注文がなくなったわけではない。

 法人をメインに土台を固めることができてこそ、一般のお客様からの注文にも余裕を持って対応できるのだと磯部さんは言う。

 経営者がフリーに動ける時間を持つことは2つの側面から重要だ。まず、販売の視点では、消費者のライフスタイルや趣味・嗜好が多様化するなか、変化に合わせた店作りができる。一方、経営者の視点では「働き方改革」や「グローバル化」という、今後、待ち受ける大きな転換点にむけ、必要な用意ができる。文化や価値観が異なる従業員が1つの職場に集まるようになったとき、経営者の考えを問われるときが来るだろう。

 店に課された使命は何か。従業員がいきいきと働くためにはどうすればよいか。店が存在する理由を語り、充実して働けるプランを実行することも経営者の仕事なのだ。時流を読み、人のために動く。その時間の確保がますます要求される時代になるだろう。

 

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